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未完成建売住宅のメリット・デメリット

 未完成の建売住宅を購入し、その中で学んだ現実のレポート。 (※ なお、既に完成している建売物件のメリットについてはこちらにて。 デメリットはこちら

未完成建売住宅は ”仕様書” だけでの契約

 建売住宅で一番の懸念は? やはり住宅の出来ではないでしょうか。 しかし未完成物件はその出来栄えを確認する事も出来ず契約しないといけないので(まあ完成を待って契約、、 という事も出来るかもしれませんが、ただそれだと他人の手に渡ってしまう可能性や仕様変更が出来ないこともありますし、そもそもお客様が付いてから着工〜 という未完成物件だってありますし)、そこらあたりには大きな落とし穴が潜んでいる可能性だって。

 全体的な出来・クオリティ、実際の間取り、不便なところ、良い所、日照、隣接する家とのからみ(窓の位置とか)、、 挙げればかなりあるでしょう。

 ちなみに、うちの場合には、、 もう少しでキッチンスペースの驚異的な狭さに気が付き難く、契約前にぎりぎり気が付き修正依頼が出来たからいいものの、もうちょっとで取り返しが付かなくなるところでした ^^; 当初設計されていたスペースは、キッチンと背面の戸棚との幅50センチほど。 狭いってもんじゃあありません。 またこの幅だと、事実上、子育て家庭でよく使われる冷蔵庫も搬入できなかったことに。。 (こういった冷蔵庫ってだいたい60〜70センチ角。 また冷蔵庫は、完成間近になってはじめて気が付いた) ”生活を考え抜いた設計” といった売り文句の広告があったのに。。

 もらった最初の間取り図ではなんとなくイイ感じになっていたのですが(簡単に戸棚の図が書かれていたが、)、柱と柱の間(基本、中心から中心の幅が記載されます)、それから壁の厚みとかを考慮して行くと(柱や壁には1センチ以上の石膏ボードが貼られます)、、 劇的な狭さが浮き彫りに。 パッと見の寸法でザックリ考えていただけだと完成後はどうなっていたやら。。 なお是正ではおおよそ20センチほど改善してもらい、最終的には事なきを得 吉と。 (一応加え言っておくなら、洗濯機スペースもそうでした(うちのドラム式洗濯機はけっこう横幅がデカい)。 ただこちらは契約後。 設計の修正なら追い金〜 といった感じでしたが、まあ寸法は洗面台の大きさで左右されており、横幅の仕様変更で何とかなったのでこちらもまあ結果はオーライ。 ちなみにこういった設備は契約後でないと分からないのが一般的かと。 また建売によっては設備の仕様変更がきかない場合もあるようで、最悪は洗濯機の買い替えが必要なところでした ^^;)

 なお、私が購入した物件はあくまで建売住宅です。 工務店が指定されている売建住宅とは異なり、既に不動産屋は建築許可を得ていて ただ着工前の未完成物件であったというだけの事です。 ちなみに売建は土地のみ分譲で、家屋は指定工務店との直接契約となりますので(自分が施主になれる)、ここでのメリットデメリットはほぼ参考にならないと思われます。 またそういった売建住宅に関しては ここでは対象外という事で。。

間取りが理想と異なる事も多い

 先ほども触れましたが、書面で見とれる見取り図は ”柱と柱との中間位置”。 しかし実際の出来上がり寸法は、そこから柱(通し柱で105ミリくらい)の厚みと石膏ボード(内装クロスの下地。一般的に壁で12.5ミリ)の厚みも加わって来ますので〜 壁と壁との間だと実寸12センチほど狭くなる事に。

 図面910ミリ → 実寸約790ミリ。

 この図面での空想値と現実値の差は、体感してみないことにはなかなか。。 完成後、理想とのギャップ差にびっくりされる事も多いかと。

 ちなみに私の場合、実際この差について契約前から気づく事は出来ていたものの〜 またある程度修正をお願いする事も出来ていたものの〜 やはりそれでも、要所理想とのギャップはそこそことありました。 思っていた家具が入りそうもない、、 そもそも搬入経路に支障がある、、 ヤバげ? 等々。 やはり実際出来上がりを見れるのとそうでないとの差は大きいですよ。

中継が多く、よく意見がかみ合わない

 建売住宅は、契約者(買主) ⇔ 仲介不動産屋 ⇔ 売主不動産屋(施主) ⇔ 工務店(建築の請負と大工) ⇔ 下請け(基礎等の専門分野) と、こういった関係で成り立っている事も多く、(→ 関連) つまりこの関係が未完成ならば〜 買主の思いが工務店まで伝わらない事が多く、実際契約前に、仲介不動産屋にお願いしていた事が上手く工務店まで伝わっておらず、気が付いた時には修正不可、、 という事も。 (伝達ミスも含め)

 また逆に、売主の思いが買主に伝わっていない事も多く、設計図や仕様書などからは分からない、これも着工がはじまって気が付いたら思っていた仕様と違っていた〜 なんてことも。

着工から竣工まで、逐一チェックできる

 この辺りは売主や工務店の許可が必要ですが、建築中のチェックが許されるなら〜 着工から竣工まで逐一見学出来ますので、工程でおかしい部分や怪しい部分、ミス等の早期発見につながる事も多いでしょう。 またミスを隠ぺいされる前に発見出来るものも多いかもしれず、特に出来上がりに懸念のある建売住宅では これは大きなメリットかと。

 追記。 但し、明らかな施工ミスが発見できたとしても〜 よほどの事が無い限りイイ感じに改善される事はないとも。 実際これまで私のブログを読んで頂ければちらほら出てまいりますが、まあその分 工期 が延びてしまうからか? またそもそも完成形が予め決まっての施工だからか?(= そもそもその出来に対しての対価になっている等) このやりかたがウチのやり方と言わんばかりに まあ対応も酷いもんでした。。 なので結論的には、チェック出来てもそれが必ずしもいい具合に改善されるとは限らず、まあ最低限の保険程度に考えられておいた方がいいかな。。。

施主は不動産屋。もちろん工務店に対する意見の権限も不動産屋が大半を持つ

 建売住宅の施主は あくまで売主の不動産屋。 つまり工事を請け負う工務店も売主との契約。 という事は? 工務店側に確実な落ち度やミスがない限り〜 買主の意見は工務店側まで通らない事も多く、特にこのあたりはかなりもどかしい思いをするかと思われます。

 雨天なので工事をちょっと伸ばしてくれ、、 とか、買主の個人的意見(都合)はもちろんのこと、気になる部分をちょっと手直しして欲しい、、 とか、ちょっとここおかしいんでないの? という部分あっても、その確実性がない(根拠は基本法律等)限り工務店と売主の都合でガンガン行かれちゃいます。 また工務店が答えるにも値しないと思う意見に対しては、完全に無視されてしまう事も。。

地鎮祭や上棟式などは一切ありません

 この辺りはもろ買主の個人的都合。 なのでこれら実現は難しいと言えるでしょう。 (売主にお願いすればなんとかなるかもしれませんが)

仕様変更がきく場合は多いでしょう

 その未完成の度合などにもよるかもしれませんが、フローリングや玄関などの建具、その他エコキュートなどの設備変更がきく場合は多いでしょう。 また場合によっては、建物の間取りそのものや窓の位置、確認申請の内容変更から可能な場合も。 これもかなりのメリットかな。

 ちなみに私の場合には、細かい所ではコンセントの位置や断熱材の厚さ、一部窓のレイアウト、エコキュートの容量アップ、サッシのグレード、ドア・玄関の色や種類、フローリングの色、床材の各部位の配色、外壁の色や屋根の色、床補強など〜 考えればかなりの仕様変更をしてもらいました。

勝手に仕様変更される事もある

 法などに触れるモノでなければ、売主や工務店の都合で仕様変更される事もあります。 特に契約書や仕様書などに書かれる事のない細かい仕様などは けっこう日常的ではないでしょうか。 例えば当初の仕様プランではリクシルのキッチンだったのが、クリナップ製に変更されたりと。。 (但し、こちらの意見で仕様変更してもらったのとか、契約書の仕様書で分かる範囲内のレベルを超える変更とか、細かい製品などの仕様書をもらっている場合には別かもしれませんが)

 契約書に書かれる仕様書はかなりザックリです。 何処にどんな建具が備え付けられどういった家財が付くか、また外溝はどんな感じで仕上がるか。。 そこまで細かくはけっこう分からないものです。 なので建てる前に売れる〜 となれば、元々の完成形よりもやや安く仕上がるように内密裏でプランを変更され、、、 なんて事もあって不思議ではないとも。 (→ ちなみにその考えられる痕跡のひとつ

一般的常識で考えない方が良いことも

 例えば網戸。 一般常識ではサッシには網戸が付き物〜 と、誰もがそう思われるかもしれませんが、しかし建売住宅にはこの常識は通用しません。 一般的に、サッシメーカーとして網戸はオプション設定としており、つまり網戸を付けなければコストカットになりますので、実際完成後改めて見てみると、網戸がなかった〜 なんて事もあるそうです。

つなぎ融資が必要ない

 これは時として大きなメリットにも。

 通常、ローンを使って新築注文住宅を建てる場合、これから付き合っていくローン融資が実行されるのは ”住宅完成後(要登記)” つまりマイホームが完成するまでは融資を受ける事が出来ません。 しかし一般的にハウスメーカーや工務店では、完成までに着工金や中間金の請求が上がり、施主も完成までに何度かかなりの額を支払わなければなりません。 (だいたい軽く一千万以上) そこで一般的に多く必要とされるのが ”つなぎ融資” と呼ばれる、中間金などの支払いのためのローン。

 ちなみにこのローンは本融資(住宅ローン)とは全く別のローンとなりますので、べらぼうに金利が高い。。 (金利表現は色々ですが、どう考えても自動車の新車ローンよりも割高なくらい) しかも事務手数料なんかも発生すると、、 家が完成するまでに数十万円という莫大な数字に。 (わずか数か月借りるだけなのにこの数字。 なお、このつなぎ融資は本融資時に完済される事となるので、借りている期間はマイホーム完成までの間となります)

 しかし未完成建売の施主は ”売主”。 つまり買主であるユーザーは中間金などの支払い義務などが発生せず〜 当然つなぎ融資を利用する必要もありませんから、、 まあこの部分のメリットの大きさは十分ご想像頂けるかと。 (そのかわり手付金の負担はありますが。。)

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2015年6月更新

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